第11章 真実
Kaleidoscopic Energy Integrate Trance Operation
全てのエネルギーを自在に行使し
一体化し、世界さえも想いのままにできる力…
その個性は、独自の意思を持っており
世界が生まれた時から、気まぐれか、必然か…
宿る相手を、選んでいた。
だが、大半は気付かぬまま
死ぬまで、覚醒することもないまま過ごす。
その、後に個性と呼ばれる強力な力が目覚めるのは
その『意思を宿す力』が、気に入るか気に入らないか……
「やめろおおおおおお!!!!!!」
頭を抱え、理解されないままの日々に
気が狂いそうにもなった。
変な力を持っている。
普通とは違う。
それらのような意図から
迫害、差別、拒絶、孤立…
傷付けられて殺されかけてもなお
自然と、超速度で治るそれを視て
なおさらに気味悪がられた。
研究材料にしようと
実験をしたいという話まで持ち上げられてきた。
育て親の両親からさえも、避けようとするようになった。
最初から、いなかった存在だったかのようにされたこともあった。
だが…
それでも力を、悪いことに使うことはなかった。
ただ、一つの点を除いて…
『このような力を持つことは、おかしくない』
「そうなれば…
他の人たちと同じように、向き合ってくれるのかな?
自分一人の人間として、あんな風に……
普通の家族のように
友達のように、笑い合うことができるのかな?」
その涙ながらの呟きを
その力は、聴いてしまった。
「お前(力)なんか、いなければっ…;」
そしてその力は
遠い過去…
今から千年ほど前に
そう憎まれたこともまた、想い出した。
そしてそれは…
力は、自らの意思を持って、叶えてしまった。
個性…
『超常の力』を宿すのは、不思議ではない。
そして…
中国にて、光る子供
個性を宿した子供が生まれることとなった。
その『意思を持つ力(個性)』は
宿った人に寄り添い、死ぬまで生き続けてきた。
そしてまた…
何の因果か、その子孫の末裔に再び宿った。
それに共通していたのは…
ヒトを思いやる慈愛に満ち
正しき心を有し、真っ直ぐに進めるもの。