第10章 襲撃
「なる、ほど…
左半身以外の部位から集約させたということか」
恵土「そう。
戻ってきたはいいけど大丈夫か?;
もうぼろぼろじゃん」
「ふっ。嬉しいよ(微笑)
元来、本気は出せないはずだった。
だからこそ
この9年間、俺の個性発動を押さえるだけとなって影響が現れた」
恵土「そうだな。
あの時は必死だったし(うんうん&腕組み」
「そして今、その強力過ぎる個性を
過剰に働かせた状態でありながら、使用者は全くの無影響」
恵土「そうだね、全力だし。
でも、ゼロドライブつかってるから」
「それは、強いて言うなら
『全力で解放した力』の、無駄な分散を皆無にした状態だろう?
本来なら全力で解放するだけで
周囲へ、『ありとあらゆる全世界消滅』を現わす力を押さえ込み
あまつさえ、一挙一動における
攻撃、防御、機動と同時に一点のみから出すことで、遥かに威力も速度も上げさせた。
その結果、空間ごと全て無効化する個性をも上回った。
ということだ。
ふっふふっ!」
恵土「何がおかしいんだ?肩を震わせて笑って…
まあそれはいいとして、戦うの?戦わないの?」
「戦うさ!!
決まっているだろ…
そういう相手を、ずっと待ち焦がれていたんだ!!」
恵土「あー。
だから、個性を封印される際にそうさせてたまるかっと…
なるほど;
今後の成長にも期待されてたってわけか;(たらーり」
「俺は…戦いたい!
阻む相手など、いないのが当たり前だった!!
もともと持っていた個性が
空間に干渉するなど、この世で『初めて』だったのだからな!!
そして、化け物扱いさ。
お前と同じだ。
拒絶されて、否定されて…
孤立させられてきた!
散々傷付けてきたくせ、逆にされれば被害者面!
消し去りたいんだよ!
多人数だけ正しいとし
個々人である本人一人とは向き合おうともしない、こんな社会も!!
歪に歪み続けている、世界そのものでさえも!!!」
その直後…
空間ごと無効化させながら、衝撃波を身にまとい
凄まじい力の奔流となって、風が吹き荒れた。