第10章 襲撃
髪が逆立つ中
叫ばれた想い…
それに聴き入る中、一瞬振り返ると
光の紋様のようなものが
恵土ちゃんの左半身を覆っているのが視えた。
「…その左半身の模様は、枷か?」
恵土「…お爺ちゃんの個性だ。
左半身のみにおいて個性を封印し、使えなくする。
これだけは外せなかったし、いうことも聞かなかった。
何はともあれ…
はなっから、全力で行くぞ」
「その左手からは出せないのにか?(ふっ」
勝ち誇った顔をしてる。
そりゃそうだ。
いくら協力でも、それさえ分かっていれば普通…
!
あれ?
でも、恵土ちゃん…
相澤先生の時、左手からでも使ってたよな?
恵土「何勘違いしてる?
確かに封印するってことは、力を出せないことでもある。
だが、それと同時に」
ふっ!
「!!(消えた!?」
恵土「その力による影響は皆無ってことなんだよ!!」
どごぉおおおおん!!!!!!!
そう叫ぶや否や、天井の中央へ向けて殴り飛ばした。
と同時に、天井は易々と突き破られ
突き飛ばされる先にあったはずの雲は…
全て、吹き飛ばされていた。
無論、殴り飛ばされたことによる風は凄まじいもので
敵味方共に、とても立ってはいられなかった。
恵土「といっても、爆風までは消し去れないか;」
そう、殴り飛ばしてから
冷や汗を流しながら、遠くを見つめて呟く中…
どういうことか、僕は考えていた。
すると
恵土「左半身は封印の個性を使用された。
左半身から個性の力を出す→×(できない)
左半身に個性の力を集約する→〇(できる)
=封印された影響で
左半身だけは、この個性の力を受けない!
私のお爺ちゃんは
あまりに強力過ぎる個性から、私を守るために使っていた。
だから、高速治療の個性だけは対象とはならなかった
=その個性のみは省かれてて、今もなお働き続けているんだ」
出久(なるほど!)
そう考察している中、再び僕等は避難に戻った…
その直後だった。
暗い紫のような霧を纏った男が、目の前に現れたのは……