第10章 襲撃
相澤「やっと乗り越えたか。
散々、溜め込んできやがったくせに(ふっ」
そう微笑む中
凄まじ過ぎる風が、僕等を後押しした。
そしてその風は
施設の中央にある、噴水の水さえも吹き飛ばし
全体に行き届くほど、凄まじい影響を示していた。
恵土「13号!
霧みたいなのが来たら頼む!移動手段だ、そいつは!
霧を通して送るっぽいから、お前のが一番だ。
背後には気ぃ付けろ!」
13号「はい!」
その返事を聴くと、満足そうに笑った。
と同時に、ヴィランの
殴るのに使った右腕を、右手で取ると同時に
その場で左回転しつつ
その勢いを加えながら、背負い投げのように飛ばした。
恵土「…」
「…」
凄まじい風が吹き荒れる中
それによって飛ばしていたはずが、空中で止まった。
対峙したまま、睨み合う二人を前に…
13号「みなさん!こちらです!!」
13号の誘導に従って、走り出した。
そんな中、聴こえた。
恵土「…いくぜ」
そう言いながら
左掌に白い光を集約させ、それを掴むように軽く握り
その手の甲を、自身に向けながら胸の前に構えた。
恵土「ゼロドライブ、発動!」
そう叫ぶ中…
その左手を、前に差し出しながら握り締め
その白い光が、左手を伝って全身を覆うと共に
全身から、凄まじいほどの力を解放させた。
ばぢばぢばぢ
凄まじい放電と、風、白い光…
それだけじゃない、熱と冷気が同時に!;
「ゼロ…ドライブ!?」
恵土「オーバードライブは知ってるな?
過剰に働かせるってこった。
だが、それによる『周囲への影響』を無理やり押さえ込み
狙ったタイミングで、一点のみに集約させて絞り出す」
「!!
(もともと戦闘においてクレーバーな奴だとは思っちゃいたが
より洗練されてやがる!」
それに黙ったままのヴィランに対し…
紡がれる言葉。
恵土「いつまでも、当時のガキのままだと思うなよ。
私は…
今までの時と共に
(初日の出の時、振り返った父の満面の笑みが瞼によぎる)
ここまで!
越えて来たっ!!」
その想いは、ひしひしと伝わってきた。