第10章 襲撃
その連携を見てから…
逃げようと走ろうとした瞬間、気付いた。
『プロヒーローと
日常的に、48時間ぶっ続けで戦って生き残ってきた人だ。
現在進行形において負け知らずで
正直、私も勝ったことがない』
オールマイトに聞かされた言葉で…
出久「はっ!)!
もしかして恵土ちゃん…
全てのヒーローと、戦ったことが!?」
それはあたりだったようで、小さく頷いた。
それからすぐ、声をかけられた。
恵土「ぱっぱと行け!!
(そう言いながら、ゲートを作った奴を」
そう、拳を拳で受け止めたまま
後ろを振り向きながら叫んだ次の瞬間
空いていた右手の指先から、霧状のヴィランに放った。
と同時に
ヴィランの拳を払うや否や、上へ跳んだ。
そして、恵土ちゃんがいた場所に
ヴィランに向けて撃ったはずのレーザーが来た。
そして
恵土ちゃんと対峙しているヴィランもまた、同時にかわしていた。
恵土「…久しぶりだな」
「…そうだな。
苦労したぞ。
一時期、使えなくなったんだからな。田中よ」
そうして、上空で浮いた状態で対峙し合っていた。
恵土「ざわっ!)…」
その直後、一瞬で
恵土ちゃんの脳裏によぎった想い出が、僕等にまで伝わってきた。
『田中さんさいってー』
『両親だけじゃなく、親戚まで殺したんだって』
『居なきゃいいのに』
『化け物だから狙われたんだろ』
『生まれてきてごめんなさいも言えないんだろ』
好きなように言われ続ける、1年に渡る日々
差別、偏見、孤立、迫害、嘲笑…
周囲の全てが、敵だった
自分だけが一人きりで、誰も頼れず救けられたことさえもないままだった日々……
恵土(…はっ(苦笑&汗)
昔の想い出が、勝手に一瞬でよぎってきやがる。
でも…)
4歳の時
恵土「生きてても、いいのかな?
私なんかが、生きててもっ;」
勝己「当たり前だ!!
お前が生きることを望む奴は、ここに居るだろ!
俺が、いるだろ!!
お前とじゃなきゃ、俺は幸せじゃねえ!!!」
恵土「かっちゃん…;
ひっく;
かっちゃぁ~ん!;(ハグ!」涙
抱き締め合う二人が、視えた。