第10章 襲撃
13号「皆さん
ご存じとは思いますが、僕の個性はブラックホール。
どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
出久「その個性でどんな災害からも人を救い上げるんですよね?(微笑」
13号「ええ。しかし簡単に人を殺せる力です」
『!!』
13号「みんなの中にもそういう個性がいるでしょう」
その言葉は、とても現実味を帯びていた。
実際、それで殺そうとすれば
私のは、簡単に消し去れるようなものだったから。
13号「超人社会は個性の使用を資格制にし
厳しく規制することで、一見成り立っているようには見えます。
しかし、一歩間違えば
容易に人を殺せる行き過ぎた個性を、個々が持っていることを忘れないでください。
相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り
オールマイトの対人戦闘訓練で
それを人に向ける危うさを体験したかと思います。
この授業では心機一転!
人命のために個性をどう活用するかを学んでいきましょう。
君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。
助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな。
以上、ご清聴ありがとうございました(お辞儀」
その13号の言葉は
これから新しいことをするように思わせられてて
バイオニア精神をくすぐられて、私は思わず笑った。
「素敵~!」
「ブラボー!ブラボー!」
そんな私とは違って、そう騒ぎ立てる皆に対し
私は、きょろきょろと周囲を見ていた。
何かを、感じた気がしたから…
相澤「よーし、そんじゃまずは…」
そう呟かれる中
ふと黒い、紫色の霧のような穴が突如として現れた。
噴水の方に…
恵土「ぞくっ!!)!!
待て!!
やな気配がする」
相澤「ちっ。
一塊になって動くな!13号、生徒を守れ」
切島「なんだ?
また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
相澤「動くな!!
あれはヴィランだ」
そう言いながら
金色のゴーグルに手をかけて装着した。
それに対し…
私もまた、力を解放させながら向かい合った。
相澤「例の奴、いるのか?」
恵土「…間違うはずもない。
あいつの、気配だ!!(きっ!」
くしくもそれは
命を救える訓練の時間に、私たちの前に現れた。