第7章 戦闘
前日の帰り道の中…
一つの警察署が見えた。
崖から落ちた時も
不良に金をせびられた時も世話になった所で……
そこに、あの事件後にかっちゃんが
怒鳴り込んできていた。
勝己「あいつのいる場所教えろよ!!
生きてんだろ!?」
警察官「そうはいってもねえ;」
勝己「教えろ!!
今すぐ会わせろよ!!」
警察官「あのね。それは無理だよ。
第一、そんなことができるわけ…
!」
警察官の服の裾を掴みながら…
かっちゃんは、肩を震えながら泣いていた。
勝己「あいつッ…
絶対、泣いてる;
ただでさえ、誰かが怪我してたら泣くのに
誰かが辛い思いしてるだけでも、泣き出すのにっ;」
引きつる声が、物語っていた。
『あいつをもう、一人にさせたくない』と
勝己「俺が、行かなきゃいけないんだ。
今すぐ行かなきゃいけねえんだよ!!;
守るって約束したからっ!!!;;
あの事件があった時、俺は寝てた。
気付くことも出来なかった!
だから…
だからっ!!;」
警察官「気持ちはわかるけど、落ち着いて。
第一、生きてるかどうかも」
勝己「生きてる!!
あいつは…約束守らねえでいられるような奴じゃねえ!!
5時間待ちぼうけしても待ち続けたバカだぞ!!??
それが…死ぬもんか;
約束守らねえままで…
絶対、死ぬもんか!!;」
警察官「苦笑)…」
そんな中、しゃがみ込んで
かっちゃんの肩に手を当てて、言った。
警察官「じゃあ、信じて待ってあげればいい(微笑)
連絡先を、あの子は知ってるんだろ?
あの子は、絶対帰ってくる。
ここに…
生まれ育った町に、必ず帰ってくるから^^」
そう、優しく撫でた。
勝己「っ;」
一見すれば、無責任な言葉。
しかし、その言葉には妙な説得力があった。
涙ながらに…
かっちゃんの決意が伝わってきた。
『絶対、守るから。
誰にも負けないぐらい強くなって
今度は、絶対守り抜くから!;
それまでずっと…
ずっと待ってる;
強くなって!
誰にも負けなくなって!!
あいつを…』
それからは、言葉に出なかった。
それでも…
その想いは、痛いほど伝わってきた。