第7章 戦闘
恵土「っ;」
それから、私の脳裏によぎったのは…
かっちゃんに触れて、ぶつかって
後に教えられて、分かったことだった。
家を見た時…
なぜか、自然と視えた。
6歳の時
あの事件が起こった直後、私が連れ去られた後で見た光景が…
瓦礫となった家
誰もいず、血が残された現場…
それらの現実が、焦って探させた。
ただ、その数分後に警察が来て
かっちゃんとかっちゃんママに説明していた。
あの時、視えたのは…
必死で、瓦礫をかき分けて探してる少年の姿だった。
『あの子の親類は、全て殺されて死んだ。
あの子も生死不明、死んだ可能性が高い』との報告から
泣き崩れるかっちゃんの母親、
『ふざけるな!正直に話せ!!』と叫びながら
報告に来た警察官を、涙目ながらに必死に揺するかっちゃん。
だが…
必死に探しても、出てこなかった。
出てきたのは…
幼い時に、一緒にとった一枚の写真だった。
勝己「っ;」
涙目になりながら、瓦礫を握り締める。
『俺が、絶対守るから』
そう、自分で言った言葉が頭に浮かぶ。
勝己「何が…護るだ;」
瓦礫ごと、拳を握り締めながら
掌から瓦礫が零れ落ちていく中、涙をぽとぽとと零れ落ちていく。
勝己「護れて…ないじゃんかっ;;」
声が引きつりながら紡がれた言葉を聴く者は…
ただ、一人だけだった。
出久「…かっちゃん」
陰から、そんなかっちゃんをデッ君が見ていたことは
おそらく、本人は知らないままだろう。
勝己「ひっく;うっ;
うああああああああああああ!!!!;」
とても辛く、痛々しい泣き声が響いた。
『あの時、誓ったのに…
護り抜くって、決めたのに
護れなかった;』
そんな声が、聴こえてきた。