第7章 戦闘
恵土「うん。
でも、あの時はただ…
護りたかった。
心配してるのが見て取れた。
だから…少しでもいいから笑ってて欲しくて……
安心させたくて、必死だった。
何のために強くなるのか
何のために戦うのか…
それは、人それぞれで変わっていくけどさ……
私は、幸せそうに
安心したように笑う顔が、大好きなんだ。
だから護りたいって、戦い続けてきた。
修業したくないって思いそうになっても
何度も何度も…
そしたら、やってる内に慣れて
自然と身体が動くぐらい、あんな風に闘えるようになった。
洗練された動き
大きなモーションで得られるはずの力を、僅かな動きだけで体現
死角からの効率的な攻撃(ブラインド)&
怒涛とも思えるほどの濃密な、攻撃の繋げ方(コンビネーション)
同じ戦い方で攻められた場合における
防御と同時にカウンターで強めて返す、力の生かし方…
毎年、500億通りはやらされた」
轟「!」目を見張る
恵土「それがあったからこそ
あんな風に、一瞬で適確に動き続けられるようになった。
修業と称して、50時間ぶっ続けでしたことだってあった。
野生動物が跋扈するジャングルにほうり込まれたこともあった。
あれは死ぬかと思った(遠い目」
轟「修業よりも辛かったのか;」
恵土「だっていつ襲われるか解らないし!;」
轟「そうだな;」
恵土「今は休息も修業の内だって言われて休んでるけど
そしたら個性なしでも測定不能ばっかだったし;(しょぼん」
轟「ああ、凄かったな;」
恵土「まあ、休息も力になるって解ったけど…
やっぱり、戦い続けていたいな。
死んだお父さんと、約束したから…(遠い目)
人生とは…
色んなものと戦う。
時にはヒト、動物、生物…
はたまた、自分だったり
感情だったり、心だったり……
主張や価値観が違えば、ぶつかり合って
生きること自体が、本当に大変だって」
父親の言葉を思い出しながら、ポツリポツリと語った。
すると、ショートは隣で
一言一言に、小さく頷きながら聴き入ってくれていた。
それが少なからず、私には嬉しかった。