第2章 八傑の血を継ぐ者
頭を下に下げたお陰か貧血の症状は改善された為、独神は顔を上げていた。
「主ちゃん。主ちゃんの目の色って……紫色よね?」
「うん、紫だけど。……どうかした?」
ツクヨミが突然、独神にとって当たり前の事を聞いてくる。それに一瞬、怪訝そうな顔を見せたがあまりにも真剣な顔での質問に返答をした。
「私も紫色に見えますよ?」
アマテラスの言葉にツクヨミは、目を見開き驚いた。それから何を思ったのか、アマテラスに三種の神器である≪八咫鏡≫を独神に見せる様に言った。
「どうしたのツクちゃん?」
「良いから!主ちゃん、今渡した鏡をよく見て……。」
ツクヨミに言われるがまま、八咫鏡を覗き込み独神は自身の顔を見た。何の変哲もない、只、傷が少々ある程度のいつもと変わらない中性的な顔。
「ワタシさ、主ちゃんの目の色が……青色に見えるのよ。」
只、一つ違うのは瞳の色であった。ツクヨミ曰く、独神の目の色が青色になっているという事だった。
はあ!?寝起きの思考が完全でない独神は、驚きを口に漏らし慌てて鏡と向かい合った。
通常とは変わらない、濁りの無い透き通った紫色の瞳。だが、その瞳を良く覗き込めば所々、同じ様に濁りの無いまるで水の様な透き通った青色が混ざり合っていた。
総合的に紫色が勝っている。青色はよく観なければ分からない程度である。
「え、青色が少し混ざってる。」
独神もそれが解り、アマテラスに顔を向ける。彼女は独神に近づき、独神の目をまじまじと見た。
「本当に……青色が入ってますね……。」
ツクヨミの言葉をやっと理解したのか、ツクヨミに向かって顔を見せた。
「青色が入ってるの?青色に変わったんじゃなくて。」
「色は変わっちゃったぽいけど、変わらずに紫色だと思うけど。」
「紫色ですね……大半は。」
光の当たり方でツクヨミが見たら、少量の変化した青色が強調されて瞳全体が澄んだ青色へと見えたのだろう。
全体であろうが少量であろうが、瞳の色が変化した。その事実は本物である。
そこから三人は沈黙へと入っていった。
🌸🌸🌸
結論から言わせてもらうと、私の瞳の色が変色した。紫色なのは変わらないけど、そこに青色が所々見える様になったらしい。
「何で気絶している間に……。」
変色したんだろう。ボソッと沈黙に包まれた空間に疑問を呟く。