第3章 ◇ episode 02
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それからというもの、三人は何かに取り憑かれたかのように雑草を見つけては抜き、また見つけては抜き、ひたすらそれを繰り返し見る見るうちに豪邸の庭に生い茂っていた雑草は綺麗さっぱり無くなった。あまりの動きっぷりに、依頼主とその執事、その豪邸に関わる人々は口には出さないもののドン引きしていた。
報酬を受け取った銀時達は満足そうに豪邸を後にした。
「いや〜大量大量!腹もいっぱいだし言う事ねェわ!」
「あそこのご飯超美味かったアル!!忘れられないネ!!」
「これで少しは家計も回りますね。」
既に三人はヘトヘトな筈なのに、報酬が相当嬉しかったのか舞い上がったままで落ち着く事を忘れていた。
その時銀時は視界に入ったコンビニを見てふと思い出し口を開いた。
「あ、ジャンプ買わねェと。」
「銀ちゃん酢昆布買ってヨ!」
「おうよおうよ!酢昆布くらいどんだけでも買ってやらァ!!」
銀時と神楽はそう話しながらコンビニへと向かう。そんな二人を見て呆れ笑う新八も後を追った。
コンビニに入れば、夜だという事もあってかさほど客は居なかった。居るとすれば仕事帰りのサラリーマン、近所に住んでいるあろう若者二人と、遊びかデートの帰りかの女の姿くらいだった。
銀時はまず迷うこと無く真っ先に本が並ぶコーナーへ向かいジャンプを手に取る。その間に神楽は予め置いてある分と在庫の分の酢昆布を持ち籠の中へ入れ銀時の元へ向かった。
「銀ちゃんコレ。」
「おま……こんなに食って脇が酸っぱくなっても俺知らねェからな。」
「いいアル。きっとそれが病みつきになる日が来るネ。」
そうかよと一言言い、銀時はイチゴ牛乳も買うため移動した。一通り飲み物を物色した後に気になるものを発見した。
「ん?新発売?」
そこにあったのは“新発売!イチゴ感UP!ミルクもクリーミーイチゴ牛乳“と手書きのタグが貼られた物だった。甘党の銀時にとってそれは酷く輝いて見え、良く見てみれば残り一パックというのが余計に銀時の物欲を煽った。
そして迷わずそのイチゴ牛乳へと手を伸ばした。