第5章 スペア
東都タワーの一件の後、愛紗は予想通りしばらく外出禁止を言い渡された。
それまで滅多に外出をしない生活をしていた訳だから別に痛くはなかった。
初めて感じた死の恐怖。
だからそう、外に出たいという気持ちもわかない。
ああ、あの時のように怖い思いはしたくない。
もしあんな目にあって、本当に死んでしまったらどうしよう。
死んでしまうのはいい。
でも即死出来ないような傷だったら。
そうしたら、自分で直さないといけない。
臓器はある。
けど、腕が飛んだら。
足が吹き飛んだら?
そう、保険をかけておいた方がいい。
たとえ身体が半分吹っ飛んでも大丈夫なように。