第3章 キスしないと出られない部屋
「だから、てめーにくれてやっても構わねぇっつってんだよ。ファーストキス」
「………」
「……ここまで言わせて分からねぇとか言ったら、今度こそ爆破すっからな」
「…爆豪くん、私のこと好きなんですか」
「……でなきゃ言うかよ、バカ」
「いつから」
「そんなの覚えてねぇ。随分前だ」
「なんで私」
「知るか、気付いたら目で追ってた。なんでこんな馬鹿に惚れたのか俺だって知りてぇ」
「仮にも好きな相手にひどい言い草」
「それでもやっぱり、お前がいいんだよ」
「………」
「……嫌なら殴れ。無理強いはしねぇ。お前がどうしても嫌なら、ここから出られなくても構わねえし」
「私は出たいんだけど…」
「ならキスするしかねぇな」
「…どっちに転んでも爆豪くんには得ってことですね」
「別に俺が図ったわけじゃねぇ」
「わかってるけど。…まぁいいや。私も好きだったから」
「……は、」
「目閉じてください」
「おい、おまえ今」
「いいから目閉じて!!ハイ!目隠しました!じっとして!動いたら舌噛むよ!そのまま10秒息止める!じゃあいきます!」
「……ん、…」
「………~~っ(キス顔えっちぃんだけどおお何なのこの人おおおお)」
「……開いたな、扉」
「あ、みたいだね。はあ~爆豪くんの大切なものを犠牲に助かっ、!?」
「…もう一回やらせろ。今度は俺がやる」
「ちょ、えええうそでしょう爆豪くん」
「目閉じろ」
「まったまったストップ」
「またねえ」
「んんんんん」