第3章 キスしないと出られない部屋
「キスしないと出られない部屋!?そんな!無理に決まってるよねそんなの!ねえ爆豪くん!!」
「……まあ、そうだな」
「まだ女の子を知らないピュアッピュアな爆豪くんの貴重なファーストキスを奪うなんて罪深いこと私にはできない…!」
「うるっっせぇよ!!ほっとけ!大体テメェだってそんなに経験なんかねぇだろ!」
「……あ、ええと…私キスはもう中学で済ませてて…その…ごめんね?」
「謝ってんじゃねぇよ。その顔クソ腹立つな」
「ともかくチューせずに脱出する方法を考えよう!そうしよう!そうと決まれば才能マンの爆豪くん、頑張って!」
「………」
「爆豪くんー?おーい、考えることを放棄しないで~」
「……」
「なーに?」
「俺は、別に構わねぇ」
「はい?」
「…キス。しても。お前と」
「………」
「……なんとか言え」
「気は確かですか?」
「正気を疑ってんじゃねえよ。殺すぞ」
「いやいや爆豪くん大丈夫?キスってあれだよ唇と唇くっつけるやつだよ、魚の鱚とかいう落ちじゃないよ、わかってる?爆豪くんの貴いファーストキスが失われようとしてるんだよ」