【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第120章 120話
「まったく、他の連中は何をしてるのかしら…」
足を組むと携帯を取り出す、誰かに連絡をしているのだろうか…
「…あの、ウボォーさんはお手洗いに…」
「!…あなたウボォーと居たの?シャルナークは?」
「昨晩、ウボォーさんと交代で出て行きました。」
「…っハァ」
呆れた様にため息を吐く
その横顔は、私の前だというのに随分と素に近い様に感じられた。
「昨日と服装が違うと思ったら…あなた一度ここから出てたのね。ああ、ソファーもあなたが綺麗にしてくれたの」
パクノダは少し目を閉じて、座っているソファーのシートを撫でると、合点がいったように呟く
念能力で物の記憶を読み取ったんだ…
「便利ね」
口の端を少し上げて私を見るパクノダ…
その攻撃力はなかなかに高い…
私はテンパりつつ「パクノダさんの方こそ!」と返事をすると、彼女は驚いた表情を見せた。
「名前も能力も知っているのね。歯がゆいわ、あなたに触れられればその全てが見えるというのに」
向かいのソファーから立ち上がり、カツカツと踵を鳴らして私に近づいてくる彼女は、思ったよりも背が高い
ハイヒールを履いているわけでもないのに…180cmはゆうに超えている
そして惜しげもなく開かれた胸元を見ないようにするのが大変だ…。
パクノダはそのまま隣に腰かけると、今度は眉間にシワを寄せていた。
前かがみになり、片手で顔を覆っている…
良い匂い…
私はというと、ここ数分ずっと肩に力を入れて緊張しっぱなしだ
パクノダとウボォーに初めて会った時は”生きてる”という喜びと、また失うかもしれない悲しさで
自分でも制御できない感情にかき乱されていたが…
この後の事もあって、プレッシャーに押しつぶされまいとしていると不思議と涙も引っ込んだ。
嫌な夢だったな…
隣に座る彼女を見て、今朝の夢見の悪さを思い出す。
それでも、今はただ…目の前にパクノダが居る事が嬉しかった。