【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第116章 116話
「オレだって暇じゃないのに」と愚痴をこぼしながら、シャルナークは何処かから埃まみれのソファーを持ってきた。
「私のせいで、すみません…。連れて来いって言われたわけじゃなかったんですね」
「変なオーラの気配を感じたから見てくるって言いだしたのは確かにオレ、だけどっ!」
ドス
言いながらシャルナークが床に降ろしたのは、3人は座れるようなサイズのソファーだ。
乱暴に置いたのですさまじい埃が舞っている
「コホッ…!ゲホッケホッ!!」
「うわー、こりゃ掃除しないと座れないな…。」
一度自分の部屋に帰れたらいいんだけど…、そんなことしたら逃げたと思われてもう接触できなくなるかな…。
シャルナークは私を見張っているつもりなんだろうけど、私からしたらやっと旅団を見つけたのだから、どちらかと言えばこちらもこの機会を棒に振りたくはない。
「あっ!そうだ」
「?」
埃まみれのソファーを前に能力を発動する。
今朝方ヒソカに見つけてもらった私の能力の新しい使い方…
「触りたくないけど…」
人差し指でソファの輪郭にそっと触れると、埃とゴミをソファーから分裂させることができた。
移動した埃が床に散らばる
「おぉ、便利」
「どうぞ、座ってください」
パッパッとスカートで指を掃いながらそう言うと、シャルナークは「そっちが言うんだ」と笑顔を見せた。
やっと慣れてきたところだったのに…そんな顔されるとまた挙動不審になってしまう…
背中を向けてわたわたしていると「座んないの?」と声をかけられたが、正直同じ部屋に居るだけで精一杯だ。
「いっ、いいいいいいです。私っ、立ってたいんで!」
「明日の昼まで?」
ケラケラと笑われて、今度は別の意味で恥ずかしくなってきた。
確かに明日のお昼までどーしよ…
「まあいいんだけどさ、好きにしてよ」
そしてシャルナークは携帯を取りだしてソファーに横になった。