【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第114章 114話
一先ずヒソカの言う事が本当なら、旅団の全員集合は明日の正午…
確かに、思い返してみれば数人の団員がネオンを乗せた車の横を歩いている描写が記憶にある。
ネオン達はオークション前日にヨークシンシティに到着するはずだから、その時リンゴーン空港までの荒野で待ち伏せすれば…
午前中ずっと…?
道は1本しかないし、高確率で遭遇できるだろうけど…その後の事を考えると、体力的にも現実的じゃないな…
となると、後は…
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ヨークシンシティ郊外にある巨大な団地の廃屋
調べてみると、そんな場所は当然ながら一か所しかなかった。
中心地から2.5kmしか離れていないのに、こんなに廃れた場所があるなんて…
何かの事業が失敗した痕跡なのだろうか…
一か所と言っても廃墟になっているエリアはとても広く、私は一人でアジトになりそうな場所を探している。
人気は一切無く、ゴーストタウンのような廃墟を周るのは昼間とは言え少し怖かった…。
大丈夫、大丈夫…
オート転送モードオンだし、自動化のレベルマックスにして警戒してるし
今なら私、銃で撃たれたって大丈夫!
そう意気込みながら比較的痛みの少ない建物の方へ歩みを進めていると…
「!?」
突然、景色が一変した。
驚いて声も出ないが、この感覚には覚えがある
わたし今、オート転送した?!
進んでいた先に見えていた瓦礫の上に、いつの間にか立っていたのだ。
歩いていたため、そのまま足を踏み出してしまい瓦礫から落ちる…
落ちる…!?
「わっ!」
足が空を踏み抜き、グラっと身体が傾いた。
真下に人が現れた事に気が付いた時には、私は既にその人に抱きかかえられていて…
痛く…ない
何の衝撃もない…
「え?!何?! !」
突然の事で、本当に…一体何が
思った事、そのままのセリフが頭の上から降ってきた。
同じ事を言おうとしたところだったから、自分が喋ったのかと思ったけど違う。
私よりずっと低いけど、でも男の人にしては高いその声色…
「あっ…アッあっうっあ!!? 」
言葉にならない声が出る程、トドメの驚き
見上げると、私を抱えていたのはシャルナークだった。