【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第107章 107話
広い空港では、ひっきりなしに多言語のアナウンスが鳴り響いている
ウイングさんに搭乗ゲートまでの案内をしてもらった後
私は飛行場のレストランにてズシの勝利を祝いつつ、通り一遍のいきさつを話していた。
「個人的にハンターへ依頼をするのは確かに難しいですからね、まずは本人を見つけないといけませんし」
「そうなんです。連絡先が解れば一番なんですけど…、どうして呼び出されたんでしょうか…。」
「本部に招かれたという事は、十中八九相手方と連絡が付いたと考えていいでしょう。
向こうからしたら名前さんは得体の知れない相手となりますから、互いにとって安全な所に呼び出したのだと思います。」
「そうだといいんですけど…。」
緊張が見て取れる私を見かねてか、ウイングさんは励ますようにポジティブな言葉をかけてくれる
あまり心配をさせるような話ばかりしても仕方がないので、くじら島での話やゴンやキルア、修行についてなど他愛のない会話をしていると、あっという間に時間が過ぎていった。
ゲート前まで送ってくれる2人は、私が見えなくなるまで手を振ってくれていて…
「…しっかりしなきゃ」
見送ってくれる人たちを想うと、私は自然とそう呟いていた…
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飛行船を降りる準備をしていた時から、手汗が際限なく出ている。
ドクドクと心臓が脈を打ち呼吸が苦しい…
「緊張するー…」
くじら島とは打って変わって人込みが激しい街なかを進み、私はハンター協会本部へたどり着いた。
ハンター協会のシンボルマークか描かれた立派なビルは、ビジネス街の一等地に建てられており
さながら一流企業に引けを取らないエントランスだ。
意味もなく、硬質な床で足音を立てないように気を付けて受付に進む。
「あの…本日お約束いただいている名前と申します。ハンターのサトツ様にお取次ぎ願えますか」
受付の女性は慣れた様子で応対し、奥のエレベーターで指定したフロアまで向かうように案内してくれた。
チン
「名前さん、お久しぶりです。」
20230923