【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第107章 107話
スワルダニシティー
ハンター協会本部がある、かなり大きな都市だ
そこに行くにはまず、飛行船の往来が盛んな別の都市へと出向く必要がある。
「それじゃあね、ウイングさんによろしく伝えて」
「はーい、行ってきます!」
私の能力で移動できるウイングさんの稽古場は天空闘技場があるので栄えており、近くに中規模の飛行場がある。
調べてみるとそこからスワルダニシティーまでの直通便が出ていたので、私はチケットを取った。
そして少し寂しそうなゴンに別れを告げ、念能力を発動させて稽古場へと移動。
一応ウイングさんにはメールを入れてあるけれど、急な話だったからか未だに返事はない。
ギシ…と軋む木の床材からはワックスの匂いがして、早くも懐かしさを感じていた。
「いないのか…」
少し残念だけれど、仕方がない
部屋の鍵はないので、窓から正面の建物の屋上へと瞬間移動
そのまま外階段を降って、歩道へと出た。
「名前さん!?」
「!」
道路を挟んだ向かいの歩道からウイングさんの声が聞こえ、勢いよく振り向く
そこには驚いた表情のウイングさんと手を振るズシがいた。
「どうしたんですか?突然ですね」
「急にすみません…数時間前にメールはさせてもらったんですけど、急ぐ必要があったので勝手に稽古場をお借りしました。」
「大丈夫ですよ、私の方もメールの確認を疎かにしていてすみません。午前中から先程までズシの試合があったもので」
「忙しいんだろうなとは思ってました。ズシ~久しぶり!勝てたんだよね?!」
「お久しぶりっす! 何とか勝たせてもらえたっす!」
私たちが去った後も順調にフロアを上がっているらしいズシ
ニコニコと機嫌も良さそうにしていて安心した。
「ところで、どうしてまたこちらに?」
「あー、えっと。実はハンター協会本部に出向くことになって、飛行船に乗るために経由させてもらったんです。」
「そうですか…、飛行船の時間はもう決まっているんですか?」
「はい、2時間後のフライトです。」
「では余りのんびりして居られませんね、良ければ空港までお送りしましょう。」