【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第104章 104話
女の人が立っている──
あれ...?この夢............前にも......
後ろ向きで、顔が見えないけれど
それでも私はこの人を知っている気がしてならない
振り向いてくれないかな…
微睡の中でぼーっとそう念じていると、女の人がゆらりと動いた。
え…!こっちを向こうとしてる……?
「…!」
「名前〜!」
「おい、もうほっといて行こーぜ」
パーティションの向こうからゴンとキルアの声がする…。
夢から覚めたみたい…あともう少しだったのに
「…んー、はぁ〜〜っ…おはよう〜」
「あ!起きたみたいだよ!」
「っち」
携帯を確認したら午前6時前...
いくらなんでも早すぎやしませんかね元気キッズ達…
話を聞いてみると、朝練のついでに釣りに行くらしい
最近は日課の纏と練以外の修行はしていなかったし、たまには私もシャッキリしないとだよね…
私は寝ぼけ眼のまま制服に着替え、ゴン達と森へ出かけた。
キルアは低血圧なのか、朝から機嫌が悪そうなので触らないようにしておこう…。
因みにゴンとはできるだけ普通にしているが、昨日の一件からまともに顔を見ることさえできていない
キルアには多分気付かれているんだろうな、何があったか聞いてはこないけど
考え事に耽りながらしばらく森を進むと、水辺が見えてきた
岩場と足場が所々丁度良く突き出ていて流れも穏やかな川だ
「ここって…ゴンがよくコンと遊んだり釣りをしてた場所?」
「そうだよ!良く知ってるね?!」
思わぬ聖地巡礼に心が躍る
ここも綺麗な場所だな、水も澄んでいて泳いでも気持ちよさそう
大切な場所に思いを馳せながら、3人で穏やかに日課の修行を行った。