【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第103章 103話
舗装されていない道を走る音が、急にうるさく感じた。
繰り返されるガタガタと揺れる荷台の騒音で、流れる時間の経過を嫌でも意識してしまう。
「ごめんね!どうしても言いたくなっちゃって」
気まずい雰囲気にしてしまった。
ゴンを困らせて気を使わせてしまっている…
ちょっと落ち着こう
深い意味なんてない
12歳の素直すぎる男の子が、たまたま懐いてくれているだけ
「ううん、私こそごめんね。
そういうこと、言われ慣れてなくてちょっとビックリしちゃった」
そんな事を言いつつも、変わらずゴンの方に顔を向けられていない私
言葉は取り繕えても、正直…どんな顔をすればいいか解らないから
「ビックリって、どんな感じ…?」
「…?」
急に真剣な声色で、そう言うゴン
意味がよく解らなくて、恐る恐る振り返ると
ゴンの顔は思っていたよりも近くにあった。
「どきっと、した?」
「〜〜〜!?」
げんかいだ
脈拍ゲージが完全に振り切れた私は、為す術もなく仰向けに倒れ込んだ。
完全敗北を認める
5歳年下の男の子にも、私ってドキドキとかしちゃうんだ…。
「はい…。」
両手で顔を覆い、ただそう認めるしかなかった。