【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第102章 102話
少し日も傾き始めてきた頃
買い物を済ませた私たちは、能力を使い荷物を家へ転送。
2人で帰り道を歩いていたら、農夫のおじさんが途中まで荷台に乗せてくれることになり、ガタガタと揺られながらもお喋りに花が咲いていた。
お互い盛り上がってケラケラと笑っているところに、突然西日が差し込んで顔を上げる
「うわー!きれー!」
背の高い並木道を抜けた丘の上で、それは美しい絶景を見た。
夕方の少し強い風と眩しい太陽に目を細めながら海を見ると、大きな赤い太陽が空と海の境目に差し掛かっていた。
キラキラと水面が反射して瞬いている。
「最高でしょ?」
「うん!くじら島サイコー!」
すっかりテンションの上がった私は、勢いよくゴンの方を振り向く
太陽を見ていたためか、私の影が重なってゴンの顔がよく見えない。
「…れい」
「?」
「名前、きれいだね」
!!
車輪と風の音にかき消されてよく聞こえなかったけれど
二言目は確かに耳に届いた。
押し黙ってしまう私
「えっ…」
「ごめん!急に…」
「…いや、よく聞こえなくて!」
少し声を張り上げて聞こえなかったフリ
しっかりと聞いてしまったのに…
心臓が口から出そうだ…
ゴンにならバレないって思って、咄嗟に吐いてしまった嘘の罪悪感にも耐えられそうにない。
「今…名前が太陽に照らされて、すごくキラキラして見えたんだ。だから、つい思ったこと…言っちゃった。」
頬を染め、少しはにかみながら微笑むゴン
どうしてそんな言葉、真っ直ぐ目を見ながら言えるの?