【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第100章 100話
「可愛くて、素直で、優しくて…。すごくいい子だなって思ってます。」
「あら…、ありがとう。そうね、そこがゴンの良い所よね。」
ただ思った事を素直に言ってみただけなのに…
ミトさんは私の答えに満足そうなのに…
私だけはただ
何かから逃げたような敗北感を感じていた。
「うわ!めっちゃいー匂いする!!」
驚いて大きな声の方を向くと、キルアが階段を降りてきていた。
カップケーキの焼き上がる匂いが、部屋まで届いたのだろうか。
「名前今手ぇ空いてる?」
「うん、お茶してただけだから大丈夫だよ。」
私を呼びに来たのか…
ミトさんに軽く会釈をすると、ヒラヒラと手を振るジェスチャーをくれる
焼き上がったら教えてくれるとの事なので、キルアの後を追いかけて2階の部屋へと向かった。
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「お前、グリードアイランドって知ってるか?」
2階に上がると、テレビに繋がれたジョイステーションがあり、パソコンの前にはゴンが座っていた。
その光景を見て、すぐに状況は理解できる。
「知ってるよ。」
私がそう答えるとググッっと顔を歪ませるキルア
多分私の知っている事は内緒にする事が多かったから、どうせまた何も聞き出せないだろうと反射的に嫌な顔をしたんだろう
「本当?教えても良さそうな事があったらオレ達知りたいんだけど…」
キルアが返事をせずにいると、なんとゴンが教えてほしいと言い出した。
珍しく?いや、私の知っている事をゴンから知りたがったのは初めてではないだろうか
訳を聞いてみたら、"キルアがミルキに連絡するのを嫌がっているから"との事だったけれど
ゴン自身も、私の一件でミルキに対して良い印象は無いだろうし、そういう理由かな…。
「なら私から電話しようか?」
「それなんの意味があるんだよ」
当然キルアにそう突っ込まれたが
紆余曲折あり、ミルキがヨークシンに来る展開に繋がる事を説明したら
キルアからは一切信じてもらず、私は笑ってしまった。
20230629