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【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第94章 94話






「ズズズ…」

小さな器に注がれた、あっつい烏龍茶を冷まさずに啜る。


あっち〜
と、心の中で思いながらも再び口を近づける私。

その居た堪れない空気に耐えられないが故の間持たせである。



いい香りだけど一切リラックスできない理由は、ゼノさんと向かい合わせでお茶を囲んでいるから。

それだけなら慣れれば問題ないだろうけど、ゼノさんは何か考えている様子でもう3分は黙り込んでいた。
多分めちゃくちゃ辛辣なこと言われるんだろうな〜…


覚悟をしておけばダメージは少ないだろうか…






「傲慢…」

「はい、すみません。」



来た
ダメージ70くらいで済んだけれど、この後の会話を残り30で切り抜けられるだろうか。





「半年間念を極め、他の能力者を知り。それでも尚使い物になるかわからぬ脆弱な念ですら手に入れたいと思うのか…
若さ故の身の程知らずはよくある事じゃが。お前さんのその欲は一体どこから湧いて出てくるのか不思議じゃ」


「どうしても、見ているだけで居られなくて…すみません。」


恐縮そうに肩をすくめて下を向いていると、ゼノさんのため息がうっすらと聞こえる
そのまま一口お茶を飲んだみたいだ。

「いずれにせよまずは絶、そして群青の念で全ての応用技をマスターしてから口にせい」

「うぅ…」



やっぱりまだ早かったかな…

そんなおいしいお茶とお説教を聞いている時だった。





ポロロン ポロロン


「!」


私の携帯が鳴る

出てもいいものかとゼノさんを見ると、目配せで許可をいただいたので受話器マークを押した。


「名前さん?お久しぶりね。あなた今屋敷にいらっしゃるの?」

「え!キキョウさん?!」

着信画面で誰からの電話か確認せずに出たので本当に驚いた。

どうやら私が屋敷に帰ってきた事を聞きつけて電話をくれたらしい
ゼノさんとお茶をしていると伝えたら「ずるいわ!」とやや乱れ気味に電話を切られた。

その後すぐに使用人の方がみえて、中庭に案内される事に…



まだゼノさんと新しい能力についての相談とかしたかったんだけどな…

そう思いつつも、受けている恩恵を考えると従わざるおえなかった。



20230620
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