• テキストサイズ

【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ

第92章 92話



「そうだね…こんな風に朝ごはんを食べるのも、明日で最後かな…」


「…っう、…っひ…ズズッ…」


え?!

「どうしたのズシ…!泣かないで!」


思わず膝をついて目線を合わせる、ズシが急に泣き出してしまったのだ。

泣いているところを見られまいと、顔をそらすズシ
私はどうしたらいいかわからず背中をさすってあげた

「うっ…、自分っ…名前さん達と修行…、ずっと師範代と…ぅぅっ…2人だったから…
みんなと…皆さんと一緒に修行ができて…、楽しかったっすっ…」

「うん、うん…私も楽しかったよ。ズシ、沢山助けてくれてありがとうね」


よしよしと落ち着けるように頭ごと抱きかかえると、ズシは更にひどく泣きじゃくった。


「自分…!もっと強くなりたいっす…!」

「ズシならなれるよ…、大丈夫だから、泣かないで、ね?」


少し落ち着いて息が整ったと思ったら、ズシは私をぐいっと押しのけ
泣き顔のまま、真っ直ぐな瞳で初めて目を合わせた。


「うっ…強くなって……もう二度と泣かないっすっ!
名前さんをっ…強くなってもっと名前さんを助けられるような漢になるっす!!」


「…!」




真っ直ぐすぎるそのズシの言葉に、私は思わず瞳をじっと見つめてしまった。

数秒の間の後、ズシは「あんまり見ないでくださいっ」と照れるように顔を背けて一歩離れる

「ズシ〜〜〜〜!」


そのあまりの健気さといじらしさに、思わず逃げるズシを抱き寄せた。
本人は慌てて逃げ出そうと身を捩っているが割とされるがままだ

私まで寂しくなってしまう、この温もりを忘れまいとホロリと涙した。

「ここでの思い出、忘れないよ…ズシ、だいすき。」

小さくそう呟くとズシは大人しくなり、ぽたりとズシの涙が私の腕を濡らした。




/ 450ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp