【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第77章 77話
少し拍子抜けだったが転送するのに距離は関係ないようだ
ただやっぱり少しタイムラグみたいなものがあるみたいだけど・・
出だしは好調といった感じで
ちょっと調子が出てきた私は、次に水をコップごと手にとった。
アイコンタクトで合図して、また念を発動させる。
石と同じようにコップも水もスッと消えてしまった。
相変わらず物を転送しているという実感が湧かない、ただ目の前から消えているように見える。
ちゃんと送れてるのかも分からないし・・
しかし私の心配はよそに、また実験は成功したらしい。
波も立てずに指輪を置いていたテーブルの上に現れたようだ。
事前に何を送るか知らせているからだけど・・
随分とうまくいっている・・。
「調子はいいみたいですね」
ウイングさんが、次に転送する制服が入った紙袋を手渡してくれた。
「ありがとうございます、少し自身がつきました!」
それを受け取り、紙袋の上に手を当てて同じ要領で念を発動させる・・
今度もスッと消えはしたが、 どうやら数秒経っても電話の向こうではまだ到着していないようだ・・
十数秒はかかっただろうか・・
「ああ、来たって」
キルアが軽く頷きながらそう言った。
良かった・・
でも、ただの衣服なのにやたらと時間がかかったみたい
構造が複雑なものだから・・?質量のせいかな・・
ウイングさんも難しそうな顔で何か考えているようだ。
まあとにかく、次にいかなくちゃ・・
不穏な空気が漂う中、私は卵を手に取った。
「・・・」
これまでと同じように念を発動させる・・
黙って目を瞑り、手の中で卵の存在を感じながら転送させた。
「おっけおっけー」
なんだか段々雑になってきたキルア・・
その横からいつの間にか姿を消していたのか、ウイングさんが私に何かを手渡してきた。
たまごを・・もう一個・・・?
「今度は卵の中身だけ、先ほど送ったコップの中に転送してみてください」