【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第71章 71話
そんな私をよそに、2人はヒソカ戦のチケットについてあれこれ話をし始めている・・
スタジアムに観戦しに行くようだ。
泣いているのがバレないように後ろを歩こう・・。
べそを隠しながら、しばらく2人の後ろを付いて行っていると
数メートル前を歩いていたゴンがUターンしてきた。
「名前が変わりに行って来なよ。15万もしたってキルアが怒ってるからさ」
前方を見ると遠くで不機嫌な様子のキルアが私を手招いている・・
あっ・・!
「ヒソカ戦?!」
「そうだよ・・!くっそー・・あのストーカーメガネ〜」
やだ、ウイングさんに挨拶しそびれちゃった・・。
口元に手をやりながら無意識にウイングさんを探してはみたが
ツカツカと歩みを進めるキルアに気づき、直ぐに諦めて前に向き直った。
すると通路内の天井に設置されてるモニターから今回の試合前の中継が流れ
モニターにカストロ氏が映しだされる。
これから始まろうという期待の一戦に、闘技場内はいつにも増して賑わっていた。
「キルア、カストロさんが何処に居るか知ってる?お願いしたいことがあるんだけど・・」
「うっわ、おまえ今オレの考え読んだだろ・・・。あー・・読んだって言うのとは違うのか・・
オレもあいつに興味あるなって思った所だよ・・流石にリアルタイムで言い当てられると気持ちわりいな〜」
「仕方ないじゃない、今しかなかったんだし・・
私だって数日前からカストロさんとの接触を試みてたけど・・寸前まで修行に勤しんでたみたいで、全然会えなくって・・」
キルアは露骨に嫌がりながらいつも通り私をなじると
歩みをエレベーターに向ける、私はそのまま黙って控室までキルアに連れて行ってもらった。
「じゃ、オレが先に行くから、ちょっと待ってろよ」
そっちはそっちで話があるもんね
私は黙って頷き、警備員をすり抜けていくキルアを見送る。
しばらくするとカストロさんの方からわざわざエレベーターホールまで出向いてくれた・・
後ろにはキルアがニタニタと笑うのを我慢しながら私とカストロさんを交互に見ている。
なんか嫌な予感がするぞ・・・
「やあ、待たせたね。君が僕のファンっていう子?」
「へ?!
あ、まっそ・・そうで・・・。いや・・あの・・・その・・」
キルアーーーーーーーーーー!!!!!
20160507