【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第71章 71話
コンコン
・・・・・・・・・・・。
「おいゴン、入るぞ」
ガチャ・・
「なんだいねーのか」
いつも通りキルアがゴンの部屋へ入ると、一見して部屋には誰もいなかった。
よく様子を伺うと、奥からシャワーの音が聞こえてくる
キルアは疑問符を浮かべながら、鮮明になって行く予感を確信できないでいた。
まさか、と思う気持ちを確かめるために音のする方へ向かう
バスルームだ
荒い磨りガラスの向こうには人影が2人
息を殺しながら脱衣所に入る
「ゴン、次は右腕上げて」
「もっと強くして大丈夫だよ」
声から直ぐに状況を判断し目を丸くするキルア
驚いたように一歩下がると、どぎまぎとしながらも2人に声をかけた。
「おい、ゴン」
「キルア?」
カチャンと扉が開くと、中では軽装の名前がゴンの身体を洗っていた。
泡まみれの2人を前にキルアは一瞬たじろぐが、直ぐに姿勢を整え平静を保とうとする。
「め・・、メシ行こうかって言いに来たんだよ」
「オレもまだ食べてないよ、ゴメン直ぐ出るから待ってて」
パチっと名前と目が合うキルア、瞬間その年の男の子が考える健全な思考を見透かした名前は
からかう様にキルアに向き直りスポンジと両手を差し出した。
「な~に~?ぼっちゃんも洗って欲しいんですか~?」
ふざけた様にそう煽るとキルアは真っ赤になってバンッとドアを閉める
「ッざけんな!!」
ドア越しに声を荒げるとキルアは足踏みを鳴らしながら浴室から遠ざかり
ソファーに深く腰掛けテレビをつけた。
そこまでの音をはっきりと聞いたゴンとヒメユは
顔を見合わせ、ケラケラと笑った。