【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第70章 70話
————————————————————————————————
「右腕とう骨尺骨完全骨折上腕骨亀裂、ろっ骨3か所完全骨折亀裂骨折が12か所
全治4ヶ月だとさ、このドアホ」
「・・・ゴメン」
ふー・・・
やんややんや繰り広げられるゴンとキルアの会話を尻目に、私はドアへ向かう
ゴンがキルアに蹴られ唸る声が聞こえてきて、ノックを待つ前にその扉を開けた。
扉の向こうにいるのはウイングさん
ノックをし損ねた腕を下ろすと軽く会釈をする
私がウイングさんを連れてベットへ戻ると、2人はしんと静まり返った。
2人の大事な話なので私は別室へ行き
ゴンが誓いの糸を結ばれた頃を見計らって声をかける
今度はキルアがウイングさんと廊下でお話中だ。
「ゴン・・・・、治るまでわたし介助するから、ここにいてもいい?」
糸を見つめる目が私へ移る
「え・・そんな、悪いよ、名前だって修行があるんでしょ?」
「私は大丈夫、ウイングさんはズシの試合で頻繁に闘技場にくるし、タイミングを見て戻ったりもするから。
今してあげられること、したいんだ。」
ベットに腰をかけながらゴンの手を取った。
誓いの糸は赤く、固く結ばれ
ゴンの意思を前に向かせている
「そんな怪我じゃ、1人で何もできないでしょ?」
「確かに、そうだけど」
「キルアはそういうの向いてないし、実際一ヶ月で元どおり治るから
少しの間だけ、何もできないゴンのお手伝いとか、レアな体験したいなぁなんて」
「あはは、・・・じゃあお願いしようかな」
あまり気を使わせないように戯けて見せるとゴンはそれを了承してくれた。
私のエゴかもしれないけれど頼られていると安心する。
「それじゃ私、荷物取りに行ってくるね
これ、煮干しだよ。食べて待っててね」
「う・・うん」
ポイと煮干しを渡すと、ゴンは心を読まれたような居心地の悪さに怪訝な顔をさせた。
ニヤニヤと笑いながら私はそそくさと部屋を後にする。