【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第65章 65話
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「それでは、本日の行を始めます。」
「押忍!」
「よろしくおねがいします。」
稽古場にズシの気合の入った声が響く
「名前さん、ではまず纏から」
「はい」
そうして始まったきつい修行と言うのがコレだ
「次は練」
「・・・・」
「そして絶・・・・」
「・・・・っ」
私が苦戦しているもの、そう・・・・・それは『絶』
こればかりはオーラを断つ技の為、私自身がどうにか乗り越えなければならない
ゴンやキルアと違って、身をひそめる事を常とした生活なんてしてこなかった訳だから、時間がかかるのは当たり前だ・・・。
解ってるけど・・・・でも・・・・・
「・・・気が乱れてますね・・
焦る気持ちは解りますが、気持ちを落ち着けてください。
静かに息をして、そのまま冷たい海の底にゆっくり沈んでいくのをイメージして・・」
「・・・・・」
「水に溶け込むように・・・、心と体を深海に沈めてください。」
・・・・言われているように脳内にビジョンを作り
目を瞑ってひたすら佇む・・・・
私にはこれがとてつもなく苦痛だった。
纏や練と違って何もしないという事がたまらなく苦痛なのだ
静かに一人目を閉じ立っているだけ・・・
そうすると私は突如として不安に襲われるのだった・・。
こんな事をしていていいのか・・?
あとどれだけこうしてればいいのか・・?
私には無理なんじゃないか・・?
今日も何も進まないのではないか・・・?
余計な事を考えてしまって、その度に残された時間を数え焦りが体に表れてしまう・・。
そしてそんな私を、ウイングさんは全て見透かしているのだ。
「・・・後3時間そのまま」
「・・・・・・」
その言葉を聞いて、昨日より1時間増やされている事に絶望する
それすら邪念になりうる今の状況は、果てしなく悪循環でしかなかった。
しかし、私にはウイングさんを信じるほかに術はない