【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第5章 5話
「おねーさんはケガしてない?」
「え…?う、うん大丈夫です。」
「そっか!よかった!オレはゴン!よろしく!」
ニコー!と眩しいくらいの笑顔のゴンに私は少したじろぎつつも、握手をして挨拶をした。
「名前です、よろしく。」
「私は、クラピカという者だ。レオリオの頬のハンカチは貴方のものか?」
「あ、はい。腫れが酷いようなので…粗末ですが冷やそうと」
「そうか、連れが親切にしてもらった様だな、こちらからも礼を言わせてくれ」
「ありがとう名前さん!」
「そ…そんな、たいした事じゃ…」
なんだか大げさに感謝されてしまって逆に恥ずかしい…。
でも、3人とも無事に二次試験会場まで来られて良かった…
私が居る事で変わる事もあると思うけど、基本的に原作通りみたいだ。
「ところで、突然失礼だが貴方は受験番号を付けていないように見える、受験生ではないのか?
それになぜ一次試験からいままでヒソカに担がれていたんだ?」
「オレたちがヒソカと戦った時も、ヒソカは名前さんのこと担いでたんだよ。オレも変だなーって思ってたんだ。」
…っと…いきなり痛い所を突かれてしまった…
うーん…えーーーっと…なんて説明すれば…
「オレ見てたぜ、こいつヒソカにぶつかって平謝りしてたら、気に入られてそのまま拉致られてんだよ。
だいたい受験生でもないのになんであんなところに居たんだ?」
「キルア!」
「よ」
おあ、今度はキルア…
一次試験の時は話せなかったけど、ちゃんとお礼しなきゃ。
そう思った私は、ゴンとキルアの話が終わるのを見計らい、思い切ってキルアに話しかけてみた。
「あ、あの!キルアくん、あの時はありがとう。」
「…?ああ、べつに」
「なになに?キルア、名前さんと知り合いなの?」
…あれ?なんか冷たい…
「全然、知り合いとかじゃねーよ」とゴンにじゃれつくキルアをぽかんと眺めながら、私はなんとなく「ああ、ゴンとの話を邪魔したからなのかな」とも思った。
この時からゴンの事そんなに好きだったんだ。
そう思うとこの先の事を知っている私は胸が締め付けられる思いだった…。
20121212(update:20240726)