第9章 誤解?
ト「やっぱり一緒にいたんだね。・・・一松兄さんと、なにしてたの?」
少しだけ潤んだ目で見つめられる。
ーーー・・・駄目だ、むり、言えるわけない。
「いや、あの、特になにも・・・」
顔を上げ首を傾げへらーっと笑ってみせる。
ト「・・・ねえななみちゃん、お願いだからぼくには嘘つかないで欲しいな。2人でトイレにいるなんて明らかにおかしいよね?」
「・・・っ」
トド松くんの言うことが正論すぎてなにも言えず、ただ下を向く。
ト「ななみちゃん、責めてるわけじゃないから大丈夫、怖がらないでね・・・ただ、1人で抱え込むのは辛いでしょ?」
そう言って膝立ちになり、トド松くんにそっと抱き寄せられた。
ちょうど目の前にはトド松くんの胸。
微かに香るトド松くんの匂い。
ーーーやっぱり、トド松くんが好き。
ト「ななみちゃん、ごめんね、本当はボク、気付いてた・・・なのに、また守ってあげられなかったね」
そう言いながら私の頭を優しく撫でてくれる。
「んーん、・・・トド松くんは悪くないの・・・」
トド松くんの手のぬくもりに安心し、そっと背中に手をまわす。