第9章 誤解?
後手に襖を閉め、私の前へと座るトド松くん。
「あの・・・話って?・・・」
あくまでなんのことだかわからない、という雰囲気を醸しながらトド松くんに尋ねる。
ト「うん。あのさななみちゃん、今日ぼくと出かけて帰ってきた後、またどこかへ出かけた?いくら探してもななみちゃんがいなくて。」
トド松くんにまっすぐに見つめられる。
「いや、あの・・・えっと・・・」
ーーーやっぱり、気づいてたのかな・・・どうしよう、トド松くんにはあんなこと知られたくない・・・ッ
ト「ななみちゃん・・・」
答えられずぎゅっと拳を握っているとその手を優しく包み込まれた。
ト「一松兄さんと、一緒にいた?・・・」
「・・・ッ」
包み込んだ私の手元を見つめながらトド松くんが小さく呟いた。
ーーーやっぱり、気づいてたんだ・・・
ト「一緒にいたんだよね、ななみちゃん。」
「・・・うん・・」
知られたくなかった・・・でも、もう気付かれてるから、今更違うとは言えない。
ーーートド松くん、軽蔑するかな・・・嫌われちゃうかな・・・っ