第9章 誤解?
チ「正直ぼくの立場で言えることじゃないんだけどね。ぼくらがしてることは犯罪に近いわけだし、というよりもはや犯罪だし、君が本気で逃げ出したいって言うならぶっちゃけぼくは兄弟達には内緒で君に協力しようと思ってる。」
ーーーえ、ガチ?
「や、あの・・・今朝玄関で見つかった時、本当は逃げようとしてたんです・・・まぁ見つかっちゃいましたけどね。でも、あの・・・どうして急に?」
ーーーなにを言い出すんだこの人。てか私が本当に卵買いに行くとでも思ってたわけ?え、なに?協力?チョロ松くんってなに?信じてもいいの?怪しくない!?
チ「そうだったんだ・・・まぁ、こんなこと言ったところで信じてもらえないかもしれないけど、ぼくは最初から君を"家政婦"だとか"奴隷"だとかにするつもりはさらさら無かったんだ。ほら、覚えてる?出会った時君の家で薬を嗅がせて眠らせた・・・あれだって本当は嫌々やったんだ。」
普段から困り眉のチョロ松くんの眉が、更に垂れている。
ーーーなんか、トド松くんみたい・・・しかも今更そんなこと言われたって・・・
なにも言えずにいると、チョロ松くんが再び口を開く。
チ「あの時は、・・・いや、今もだね。ごめんねななみちゃん。君が本当に逃げたいと思ってるなら、僕が協力する。」
まっすぐに私を見つめてそう言ってくれた。