第1章 出会い
「あ、いえ、あの・・・さっきも、お会いしました、よね?・・・」
この人覚えてないの?まさか知らないふり?恐る恐る尋ねてみる。
お「え?・・・あー、さっきね!さっきも会ったね!いやぁ〜、また会ったね!」
少し間が空いたとも感じたが、赤いパーカーの彼は鼻の下を擦りながらへらーっと笑ってみせた。
ーーーなんだ、普通に笑う人じゃん!
「さっきの猫ちゃんたち、飼い猫なんですか?」
怖い人じゃないと認識し、さっきの猫について聞いてみる。
お「猫?あぁ、そう、飼い猫!うちで飼ってる猫なんだ!」
人差し指をピンっと立て自慢げに話す彼。
「へぇー、いいですねっ!猫、私も好きなんですっ」
さっきの猫を思い出し、自然と頬が緩む。
お「見に来る?うちに」
にひっと笑って首を傾げる彼。
「・・・え?」