第8章 油断 ※一松
ーーーこの声、トッティだ・・・
ななみを見ると、我にかえったように落ち着きがなくなっている。
ーーーいいこと思いついた・・・
胸の前でぎゅっと手を握り困惑しているななみの頬に触れ、ゆっくりと唇を重ねた。
「・・・ッ」
少しの間固まっていたが俺が舌を捩込むと肩を押され離れてしまった。
ーーーつまんな 、なに、そういうこと・・・
ト「・・・ななみちゃん?」
中にいることはおそらくバレてる。
だけどこんな姿見せるわけにはいかないし・・・かと言って隠し切れるわけでもなさそうだし・・・めんどくさいけどやるしかないか
一「・・・俺だけど」
ト「あ、一松兄さん?ななみちゃん知らない?」
一「・・・知らない」
目の前にいるななみの首筋を指でそっとなぞり、じっと目を見つめながら嘘をつく。
「・・・ッ・・・・」
ぎゅっと目を瞑り両手で口を抑え我慢しているななみ。
ーーーそんなにトッティにばれたくないんだ、へぇ・・・
ななみの行動にイラっときて不意打ちで突き上げる。
「ッ・・・んん・・・」
口を抑えていたが、少しだけ漏れた甘い声。
ーーーもしかしたらトッティに聞こえたかもね・・・