第8章 油断 ※一松
〈一松side〉
ーーー本当はこんな手荒な真似したくないんだけど。・・・あいつが悪いから仕方ない。
水を飲みにたまたま一階へ降りた時、2人が帰ってきた。
別に隠れる必要はなかったけど、なんとなく隠れてみた。
陰に隠れて2人を見てたけど、トド松は大量の紙袋を持ってすぐに二階へとあがっていった。
ーーーななみは手でも洗いに行ったのか。・・・脅かしてやろ。
不意に思いつき動こうとしたその時、忍び足でトド松が降りてきた。
ーーーなにしてんだトッティ・・・
再び身を隠し、様子を伺う。
ドアの陰にわざとらしく隠れて、わざとらしく見つかり、あざとさを前面に出しながら話してる。
"ト「卵、買い忘れちゃったね!」"
"「あ、私もいまそれ考えてたの!」"
"ト「ふふっ、僕たち以心伝心だね!」"
そんなことを話しながら笑い合う2人。
ーーーなにあいつら・・・きも。
そんな場面を見て不愉快になり二階へ戻ろうとしたその時、トド松が動いた。
トド松がななみの耳元でなにかを囁いたが、ここまでは聞こえない。
その直後トド松は機嫌良さそうに二階へとあがっていき、ななみは鏡を見ながら頬を赤らめている。
ーーー奴隷のくせになに女の顔してんのアイツ・・・