第8章 油断 ※一松
一「・・・後ろ向いて」
「っ・・・へ?・・・」
息を整えながら一松くんが言った言葉を聞き返す。
一「後ろ向けっつってんの・・・早くしてくれない?」
ーーーこの目、本気だ・・・
渋々一松くんに背中を向け、顔だけ振り返る。
「後ろ、向きましたけど・・・」
恐る恐る言うと、ニヒッと笑う一松くんの手にはハンドタオルが握られていて素早くタオルを噛まされた。
「んん"・・・ッ!?」
咄嗟にタオルを口から外そうとするも、タオルの両端を後頭部でまとめて掴まれているので私の力では敵わない。
必死にタオルを外そうと足掻いていると、タオルを掴んでいる手で壁に押し付けられた。
一「・・・おい・・・お前立場わかってんの?」
「・・・ッ」
一松くんに聞かれても、口が塞がれていて返事ができない。
一「お前は奴隷・・・立場わきまえろよ・・・」
「・・・・っ」
ーーーなに?なんなの?立場わきまえろって言われたって・・・別に悪いことしてないじゃん・・・言い返せないのすごく悔しい・・・っ