第8章 油断 ※一松
トイレの前で立ち止まり、ドアをあける一松くん。
「え?あの・・・」
わけがわからず首を傾げる。
一「・・・入って」
相変わらず読めない表情のまま私を見ている一松くん。
「なんでトイレに・・・ぁ、ちょっ!!」
"なんでトイレに入らなきゃいけないんですか?"そう聞こうとした時、一松くんに腕を引っ張られそのままトイレに引きずり込まれた。
そして口を開く間もなく一松くんの手によって壁に押し付けられ、そのうえ口を抑えられる。
・・・"カチャ"
鍵を閉められた。どうしよう、どうしよう・・・!この状況、逃げれない!
一「・・・大声出されたら、コロスかも・・・黙っててね」
私を抑え付けたまま、鋭い目で私の目を見る一松くん。
「・・・ッ」
押さえ付けられたまま必死にコクコクと頷く。