第8章 油断 ※一松
ーーーぼ、僕らの関係ってなんなのよ、もう!別に付き合ってるわけじゃないれ・・・でもどうしよう、ドキドキしてる・・・。
手を洗い鏡を見つめ、ほんのり熱を帯びた頬を両手で包み込む。
ーーー久しぶりにデートっぽいことしたからだよね、うん、そう!
そう自分に言い聞かせ、頬をパンっと叩くと再び鏡に人影がうつっているのに気が付き咄嗟に振り返る。
「いっ、いつからいたんですか・・・一松くん・・・」
一「・・・さっきからいたけど」
ーーーーーさっき!?さっきっていつ!?・・・やばいよ仲良くなったのさっそくバレちゃった!?
一松くんの方を見たまま洗面台に手を付き1人あたふたしてると、一松くんが口を開いた。
一「・・・トッティと随分仲良くなったみたいだね」
「えっ?あ、いえ・・・そんなことないですけど・・・」
ふるふると首を横に振る。・・・なにこの表情。相変わらず読めない。
一「・・・ちょっと来て」
すると洗面所を出ていく一松くん。
「へ?・・・はい」
とりあえず言われた通りついていくと、そこはなぜかトイレの前。