第3章 狂い始めた歯車
ーーーあれ・・・なにも起きない?
数秒固まっていたが、なにも起きないのでゆっくりと目を開けそっと見上げる。
すると、まるでタイミングを待っていたかのように、青いツナギの彼に唇を重ねられた。
「・・・・・・・・・ッいや!」
一瞬状況が掴めなかったが、瞬時に理解し顔を逸らす。
ト「ななみちゃん、手震えてるね・・・大丈夫。怖くないよ?」
そう言いわたしの右手を両手で包み込み自分の頬に当てる。
・・・暖かい頬。
他の人たちをちらっと見渡せば、みんなこちらを見て怪しい笑みを浮かべている。
ーーーどうしよう・・・怖い・・・。
カ「シャンプーの・・・とてもいい香りがする・・・」
私の髪に指を絡め、まるで愛おしいものを手に取るかのように見つめられる。
そして、肩にかけていたタオルをハラリと奪われる。
お「ちょーっとだけ眠っててね、ななみちゃん。・・・・チョロ松、」
チ「あぁーもう、本当に知らないからね?・・・ごめんね?ななみちゃん」
「・・・え?・・・・・・」
状況が理解できないまま口と鼻に布のようなものをあてられ、抵抗する間もなく意識が遠のいていった。