第2章 六つ子
「す、すすっ、すみませんでした!!//」
ぺこりと頭を下げ再び私は走って逃げ出した。
「つーかーれーたーーーっ」
家へと帰りベッドへと飛び込み、さっきまでの出来事を思い返す。
「まつの、おそまつ・・・」
くるっと向きを変え天井を見つめ、指を折りながらポツリと呟く。
「まつの、いちまつ・・・まつの・・・とどまつ!」
ーーー・・・残りの3人の名前はちょっと思い出せない。
「六つ子かぁ・・・」
きっと公園で会った人、さっきぶつかった人は次男と三男だ。
どっちがどっちかわからないけど。
ーーーそういえば。
自分の手のひらを見つめる。さっき尻餅をついたとき、軽く擦りむけた。
「お風呂入るとき、滲みそう・・・」
傷口を優しく指でなぞる。
そのまま眠気が襲ってきて、私は意識を手放した。