第2章 六つ子
お「いやー見つかっちまったかー!この子、ななみちゃん。さっきそこで出会った!猫好きだって言うから連れてきた!」
「・・・・」
そう言いへらへらと笑うおそ松くんをじっと見つめた。
ーーー確かに事実なんだけど、え、なに?見つかっちまったかー!ってなに?
一「・・・ふーん」
隅っこの彼は私をじっと見つめる。視線に気付き控えめに目を合わせる。ーーーこの人、なんか怖い。やっぱり路地で会ったのってこの人だ・・・
一「・・・出会ってすぐ家までついて来るとかどうかしてるんじゃない・・・大丈夫なのこの人・・・」
再び猫に目を戻し呟く彼。
ーーーなにこの人。さっきまで怖かったけど今はムカつく。もういい!失礼極まりない!!
「・・・帰ります。ごちそうさまでした。」
腹が立ち、そう言い立ち上がり襖を開け玄関へ行く。
お「いや、ちょっ、ななみちゃん!猫見ていかないの!?」
「結構です。お邪魔しました。」
冷たく言い放ち玄関の戸を開け外へ出る。
ぴしゃりと閉め足早に歩き出したそのとき。