第12章 デート
「え・・・うそ・・・ッ」
深く被られた帽子の下を覗き込むと、誰だかハッキリとわかった。
「チョロ松くんッ?・・・え?なんでこんなこと・・・っ」
店員だと思っていたその男は、なんとチョロ松くん。
チ「やっと僕だってわかったみたいだね。」
そう言って帽子をとって優しく笑ってみせた。
そして運転手を見ると、初めて見る男の人だった。
特徴は・・・歯?
「あの、状況がよくわからないんですけど・・・ていうかトド松くんが・・・」
後ろをみるとどんどん遠ざかっていく。
チ「デートしてたんでしょ?知ってるよ」
「いや、あの、知ってるよ、じゃなくて。戻ってくださいよ!!」
チ「それはできないかな。ね、イヤミ。」
イ「そうザンスね。」
ーーーイヤミ?チョロ松くんの友達、かな・・・
"イヤミ"と呼ばれるその男とバックミラー越しに目が合ったものの、あちらからすぐに目を逸らした。
「・・・・・」
ーーーこれ絶対ヤバいやつでしょ。・・・トド松くんに連絡しないと。