第18章 *猫と私③
研磨と付き合い初めてから早くも1ヶ月が経とうとしていた。
梅雨に入って毎日のように雨が降り洗濯物も溜まってく。
大学の授業やバイトが忙しくして、この1ヶ月研磨に会った最後の日は、初めて身体を重ねたあの日以来無い。
本当はデートの約束していたのに、私の都合が悪くなってデートは無くなり、研磨も部活が大変でお互い会う事が難しくなっていたのだ。
そして私は空いた時間に近くのコインランドリーへ大量の洗濯物を持って来ていた。
どの機械も大きな音を出して稼働中。
みんな考える事は同じ、私は辺りを見回して一つだけ動いてないところを発見していそいそと洗濯物を詰め込んだ。
洗剤とお金を入れ、ふぅっと息を吐きこのまま待つのもな。と思ったので、近くのコンビニに向かい飲み物でも買うつもりで向かい何気なくスマホを取り出せばメールが来てた。
メールを開けばバイトのグループからだった。
「ん?何だろ」
内容を読むとお世話になってる先輩が辞める事になり、その送別会を執り行うとの事。
「先輩辞めちゃうんだ…寂しいな」
私の教育係をしてくれた姉御的存在でみんなから慕われた人だったから、本当に残念だった。
私は日程を確認してすぐに参加の意思を伝える間に、コンビニに着き傘を閉じていると店の中に見慣れたジャージ、そして見慣れた長身が目に入り動きが止まる。
「………」
変に早まる心拍に閉じていた傘を広げようとしたらその長身…改めクロとバッチリ目が合った。
すぐに読んでいただろう本を置きコンビニの入口に来ると、ニヤリと笑って『ようっ』と私に声をかけた。