第15章 *黒猫の想い人【番外編】
初めてあやねを抱いてからどれだけの時間が過ぎたか……。
一度と言っていた関係は俺の行動から約束は守られる事無く、ダラダラとした関係に発展していた。
「あんっ、あっ!はげ、しっ!もう、やだ!」
「なんだかんだ言って好きだろ?これ…っく!!絞めんなよ!!もたない、だろ!」
「んっんっ!も、たなくて、いい…ひぁんっ!」
「イクぞ!」
何度も味わうあやねの中に、これでもかってぐらいあやねの弱い部分に打つければ悲鳴に近い声であやねは身体を震わせてイったのが分かった。
俺も続くようにあやねの中に吐き出し、荒く乱れる呼吸でお互いに抱き合いキスをする。
こうしてあやねを抱く度に勘違いしそうになる。
あやねも本当は俺を好きなんじゃないか?って。
「はぁ、クロ…部活無いからって、余った体力を私で使わないで…」
「あ?そんな理由で抱いてませんがぁ?」
俺はわざとっぽく言いながら、乱れて肌けるシャツの中に手をいれ胸を揉み先っぽも刺激する。
嫌だとか言うけど本気じゃないからな。
シャツから出る左胸の少し上にキスマークを付けると『またそこ?』ってあやねは笑う。
俺にとっては意味があっての事なんだが、あやねには言うつもりは無い。
あやねの上に乗って体重を乗せると密着してお互いの肌に熱を感じる。
「重いよ…そろそろ誰か帰ってくるかもよ?」
「それは困るよな。まだあやねとこうしてたいってのに…」
胸の先を口に含みわざと音を立てて吸えば、あやねから可愛い声が聞こえる。
名残り惜しくて俺の肩に触れた小さな手を握り邪魔されないようにいつものように主導権を握るが、最近はこの主導権も変わりつつあった。
上手く俺の手を外して俺からすり抜けるあやねに、俺はただあやねの動作を黙って見る事が増えたからだ。
「……もうすぐ研磨入学だね」
「ん?ああ、そうだな……」
それだけで会話が終わり嫌な静けさの中、衣服を整える音だけが聞こえる。
毎回研磨の名前を低いトーンで呼ぶあやね。
そんな難しく考えなきゃいいんだ。
俺だけ見てれば120%の気持ちで応えてやるのに、自覚も出来てない想いに振り回されて……あやねはバカだな。