第12章 二・其ノ壱
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国『とんだ、可愛い恋敵の登場って感じです
ね? …はああ~いい湯だ~』
ニ『…なにがだ。
別に… 私は全然嫉妬などしてはおらぬぞ。』
銭湯に浸かって気持ちのいい呻きをあげながら、影丸が聞いてくる。
国『ふふっ… 自ら嫉妬したとおっしゃって
ますよ。 …それはまあともかく、私が心配しているのは翔の方にございます。
…彼には幼き頃から家族というものがありません。 …もちろん 私が親代わり兄代わりなのはありますけど…』
ニ『なぜ、私に突然あ奴のそのような話を
される?』
国『所詮、真田の傘下に入ったと言えども
翔からしたらただ智様のそばにおりたいということだけにしかありません…
もしも……あ~、いや。 なんでもない。』