第10章 其ノ玖
松『智様! どちらへ! …心配いたしま
したよ。』
屋敷へと戻ると、松本が慌てて駆け寄ってきた。
大『和也を… 探しておったのだ。
和也は? サスケは!戻ってきておるのか?』
松『和也殿が少々、お怪我をされたので二人とも、先に戻ってもう休まれておりますよ。
それより…翔のもとへ知り合いの侍殿が会いに来られております。』
大『それはどういうことだ…。 翔の事を
連れ戻しに来ておるのか?』
中へと入ると、羽織りものを掛けてくれて肩を貸してくれる。
松『そうではないようです。
それより…智様、足大丈夫ですか?』
男に足を掴まれて、転ばされた時に少し傷めてしまったらしい。
大『大丈夫だ。 少しひねった程度だ。唾でもつけとけば治る。』