第10章 其ノ玖
大『こいつら…まさか …和也無事であってく…何っ』
ガシッと足首を掴まれて、倒れていた男に転ばされ組み敷かれてしまう。
『お前も、あいつらの仲間か?』
大『そうだったらなんだと? それより…家の…和也をどうしたのか言ってもらおうか?』
胸元の短刀を素早く男の首に向けて押し当てる。
武器も全て持ち去ったらしく、あっさりと諦めたように離れて男は胡座をかく。
『あの色白の可愛こちゃんだろ?
あいつなら、助けにきた若僧に今頃いただかれてる頃だろうぜ?』
大『なんだと? 何の話だ?』
そう言うと、今度は男に馬のりになると再び首に刀を向ける。