第1章 暁の恋
二『兄上… よろしければ
お背中流しましょうか…』
大『ああ。 和也珍しいな。 そんなのよいから、お前も入りなさい。』
しばらく扉の前で悩んでいたが、意を決して声をかけた。
羽織りと、着物を脱いで手ぬぐいで前を隠しながら遠慮がちに入っていく。
二『失礼します。 』
成長した二人では、いっぱいになってしまう。
足を交差して向かい合う形で湯船に浸かる。
大『子供の頃にはあんなに余裕だったのにお互いに成長したな。』
そう言って、両肩を掴むように触れてくる。
当たり前の事だけど、ただの兄弟としてしか思われていない事に一人落ち込むが、触れられたところから熱が上がるように自身が反応してきてしまう。
二『兄上…。 背中流しましょう。
さ、こちらに上がって下さい。』